1日の東京市場は、ドル円の上昇が目立った。大手邦銀からドル円の買いが持ち込まれ、仲値にかけて76.60レベルから77円台乗せへと上昇。その後も一時77.25レベルとほぼ1週間ぶり高値を伸ばした。買収案件など特殊なフローとの観測もあった。ただ、午後にかけては76円台後半へと反落、今週の揉み合い水準へと戻している。クロス円もドル円の振幅につれて上下動。ユーロ円は110円台前半から後半、ポンド円は124円台後半から125円台前半での往来相場だった。豪ドルにとっては豪小売売上高が前月比+0.5%と予想上回ったことが買いを誘った。豪ドル/ドルは1.0660レベルまで軟化していたが、一気に1.0720レベルまで上昇した。その後も1.07近辺で底堅く推移。その他の主要通貨は前日の流れを受けて、ややドル買い優勢。ユーロドル1.43台後半、ポンドドル1.62台前半など前日NY市場でのドル高水準を維持した。NZドル/ドルは0.85割れへと一段安だった。日経平均は9000円台の大台を回復する堅調な動きだったが、午後にかけては揉み合いが続き、為替市場との連動性はあまり見られなかった。ドル円の大口フローに振り回されたマーケットだった。

◆ブラジル中銀、予想外の利下げ 新興国経済にもカゲリ
東京朝方、ブラジル中銀は12.5%から12.0%へと政策金利を引き下げた。市場では据え置き予想が大勢で利下げは予想外だった。ブラジル中銀は声明で海外の見通しが著しく悪化、世界経済減速の可能性が高まった、先進国経済の減速は予想より長引く見通し、貿易は減少する可能性、など悲観的なコメントが相次いだ。続いて発表された韓国の8月消費者物価指数は前年比5.3%上昇と2008年8月以来の高い伸びだった。食品など輸入品の高騰が響いた形だった。中国の8月製造業PMIは50.9と市場予想51.0とほぼ同水準だった。先進諸国のセンチメント悪化と比べれば底堅さを維持していた。ただ、温・中国首相は、世界需要の低迷、中国の輸出に打撃、と警戒感を表明していた。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)