東京モーターショー(千葉・幕張メッセで2009年11月4日まで)を10年ぶりに取材した。海外メーカーの出展はわずか3社にとどまり、展示スペースが縮小した上に車両も少なくてスカスカ。国内外メーカーの首脳陣に一日中ぶら下がり、広い会場を歩き回ってヘトヘトになった一昔前が懐かしい。今や「お祭り」の魅力は薄れたが、日本メーカーは電気自動車(EV)やプラグイン型ハイブリッド車(HV)など最先端の環境技術を競い合い、新たな「自動車の世紀」の胎動を感じた。
筆者が訪れたプレス公開の2日目(2009年10月22日)は、日本カー・オブ・ザ・イヤーの授賞式が行われ、トヨタ自動車のHV「プリウス」が受賞した。
同社の関係者は「ホンダの『インサイト』に持って行かれるのではと最後までヒヤヒヤだったが・・・」とほっとした表情。4年半にわたる3代目プリウスの開発には、2000人ものスタッフを投じて社運を懸けていたただけに今回の受賞は感無量だろう。
その一方で、この関係者は「何でもかんでもエコ、エコ、エコ・・・。致し方ないが、正直言うとクルマの走りが注目されず、寂しいモーターショーだ」と本音も漏らした。
モーターショー会場から「紙」が消えた・・・
確かにどのメーカーのブースに行っても、「エコ、エコ、エコ」のオンパレード。一昔前は段ボール1箱分ものプレスキットやカタログを持ち帰って記事を書いたものだが、今回はその類の「紙」が激減していた。