24日のロンドン市場は、ユーロ主導でドル安傾向になっている。ユーロドルは独Ifo景況感指数が予想を下回ったことで一時1.4370近辺まで売り込まれたが、すぐに値を戻した。欧州株では独DAX指数が1%超の上昇となったことがユーロ買いにつながった面もあった。ユーロドルは1.4470台へと上昇、100ポイントの反発となった。ユーロ圏製造業新規受注も予想を下回る結果だったが、ユーロ売りの反応はほとんど見られなかった。ギリシャ2年債が40%台に乗せるなどソブリンリスクは深刻化しているがユーロは堅調に推移している。ドル円はユーロドルの上昇につれて一時76.50割れへと軟化。ポンドドルは一時1.65台乗せ、ドルスイスは0.79割れなどドル安の動きが広がった。市場では金曜日に予定されているバーナンキFRB議長の演説で、追加緩和について言及されるのでは、との思惑が根強かった模様。

ただ、NY勢の参加を控える取引中盤にかけては動きが一服してきている。ポンドドルは1.64台半ばに反落するなど軟調。豪ドルやNZドルなど通常は株高に反応しやすいオセアニア通貨は上値が重いなど、通貨ごとにまちまちの動きになっている。欧州株も次第に上げ幅を縮小する動き。やや調整ムードもでてきている。

◆ドイツIfo景況感指数は108.7に低下
8月ドイツIfo景況感指数は108.7(予想111.0、前回112.9)と予想を大きく下回った。現況指数118.1、期待指数100.1などいずれも弱い結果だった。Ifoのアベルガー氏は、期待感の低下は全産業にわたっている、リセッションとまではいえないが経済は急速に減速している、株安が消費者のマインドを低下させており、企業にとっても不透明感を増した、米景気減速と米欧債務問題が景気見通し悪化の主因、ECBは利上げを休止すべき、と分析している。ユーロ圏の優等生であるドイツ経済においても企業の景気見通しには力強さが欠けてきているようだ。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)