19日に全米住宅建築業者協会(NAHB)から発表された米10月の住宅市場指数(HMI)は18(前月比▲1ポイント)となり、20への上昇を見込んでいた市場予想中心に反した結果になった。筆者は、「11月末が期限になっている初回購入者向けの住宅減税は、契約から手続き完了まで2カ月程度かかることを考えると、住宅関連指標を押し上げる力をそろそろ失い始めるはず。前回9月分まで3カ月連続で上昇中だが、今回は横ばいにとどまると予想する」として、前月比横ばいの19を予想していたが、実際には、政策効果の剥落による息切れの兆候が、もっとはっきり出た。

 HMIの低下は今年6月以来4カ月ぶりのことだが、問題は総合指数を算出するのに用いられる構成項目の指数3つ、「一戸建て住宅販売(現況)」「一戸建て住宅販売(向こう6カ月見通し)」「見込み客の客足」の動きである。今回は、3つすべてが低下した。これは昨年11月以来の出来事である。

 具体的には、10月分では「一戸建て住宅販売(現況)」が17(前月比▲1ポイント)、「一戸建て住宅販売(向こう6カ月見通し)」が27(同▲2ポイント)、「見込み客の客足」が14(同▲3ポイント)となった。今年6月分では、低下したのは「一戸建て住宅販売(向こう6カ月見通し)」のみで、残り2つは前月比横ばいにとどまっていた。