11日のロンドン市場は、欧州株式市場が不安定なことで、為替市場も神経質な動きを示している。序盤は欧州株が堅調にスタートし、各株価指数は2-3%高となった。ユーロドルは1.42台後半と東京市場から一段高となる場面があった。しかし、欧州株は次第に上げ幅を縮小したことで、まずポンドドル、続いてユーロドルに売り圧力が掛かった。欧州株では銀行株の下落が目立っている。イタリア大手銀行株は激しい変動を避けるため一時取引停止措置がとられた。トレモンティ伊財務相は、キャピタルゲイン課税の税率を20%に引き上げる可能性があると表明した。イタリアの財政削減にも不透明感が広がった。昨日は破綻のウワサで大きく売り込まれた仏ソシエテ・ジェネラル株は序盤8%超上昇も、下げへと転じている。ノワイエ仏中銀総裁は、最近の市場の混乱、仏銀の健全性に影響せず、と述べている。さらに、取引中盤には欧州株が下げに転じ、独DAX指数1.4%安など下げ足を速める動きになっている。ユーロドルは1.41台前半、ユーロ円は108円台前半へと下押し。リスクに敏感な豪ドルも軟調で、豪ドル円は一時78円割れ、豪ドル/ドルは1.02割れとなった。株式市場の混乱がなかなか収拾できない状況に、為替市場も引き続き荒れ模様だ。

◆円とスイスは対照的な動き
円とスイスフラン、共に通貨高に苦しんでいるが、ロンドン市場では対照的な動きとなっている。ドル円は序盤に76.30レベルと戦後最安値の76.25レベルに迫った。その直後、急激に買われて一時77.20-30レベルまで急伸した。市場には介入への緊張感が走った。市場では日銀によるレートチェックとの観測も流れた。財務省筋は、介入の有無にはコメントできない、としている。しかし、買いは続かず76円台半ばへと反落し、揉み合いになっている。上値が重い印象だった。

一方、スイスフランは大幅に売られている。ドルスイスは0.72台後半から0.74台乗せ、ユーロスイスは1.03台半ばから1.05台半ばまで大きく買われた。市場にはスイス中銀が銀行預金に1%の課税をする、との観測が流れていた。メディアによると、ダンシン・スイス中銀理事は、マイナス金利の可能性を排除しない、と述べていた。また、ジョーダン・スイス中銀副総裁は、為替市場で介入することなく一層の緩和策を実施する可能性、とも述べている。スイス高阻止に向けてスイス中銀が追加措置を打ってくる気運が高まっていた。戦後最安値近辺からなかなか離れられないドル円とは対照的だった。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)