5日のNY市場はユーロが買い戻されるなど、リスク回避の動きが一服していた。円相場も円高の動きが一服。この日発表になった米雇用統計が予想を上回ったことや、ECBがイタリアの財政再建強化を条件に、イタリア債を購入する用意があるとの一部報道が伝わったこともサポート。ベルルスコーニ伊首相も緊縮措置前倒しや財政均衡に向けた憲法改正も打ち出している。また、G7首脳による電話会談が活発に行われており、来週にもG7緊急会合が実施される可能性も出てきた。ただ、景気の先行き懸念は根強く、豪ドルなど景気に敏感な資源国通貨は戻りが鈍い。

ユーロ円は一時112.30近辺まで上昇し21日線を回復。ドル円は相対的なドル売りの動きに78円台半ばでの膠着した動きが続いた。

◆カナダは上下動の末、売り優勢の展開に
米雇用統計が予想を上回りリスク回避の動きが一服していたが、カナダもきょうは雇用統計の発表があった。雇用増加数は予想を下回っていたものの失業率は改善。また、非常用雇用者の数が減少し、常用雇用者の数が大幅に増加した。まずまずの内容だったと言える。カナダ中銀は将来の利上げに含みを持たせているが、FRBの超低金利政策が長引く可能性もあり、カナダの利上げムードも後退しそうだ。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)