4日の東京市場は、政府・日銀による為替介入が実施された。介入は3月18日以来、4ヶ月半ぶりとなる。ドル円は77円台前半での揉み合いが続いていたが、日本時間10時頃に78円台乗せへと急伸、市場には介入観測が流れ、緊張感が走った。野田財務相が緊急会見を開き、きょうの市場で為替介入を実施したと表明。一方的な円高の動き続きは日本経済にとって悪影響を及ぼしかねない、関係通貨当局とは連絡を取り合っている、介入は単独、継続するかどうか介入の方針についてはコメント控える、無秩序・投機的な動きをけん制、、介入効果をあらしめるため全力つくす、としている。その後も断続的に介入が実施されており、午後には一時79.45レベルへと上昇、朝方の安値から2円超のドル高・円安水準となった。仲値も77円台から79円台へと再公示された。枝野官房長官は、一方的な円高が続けば復興、日本経済に悪影響、適切なタイミングで介入した、と評価していた。介入によるドル円の急伸を受けて、円が全面安となった。ユーロ円は110円台半ばから113円台へ、ポンド円は126円台後半から129円台後半へと水準を上げている。豪ドル円は84円台半ば、カナダ円は82円台へと上昇した。

日銀は急きょ金融政策決定会合を本日中に終了する、と発表。市場には追加緩和策など円高対策の発表が期待され、日経平均は一時130円高となった。午後2時には日銀が政策金利据え置きとともに追加緩和策を発表。資産買い入れ基金を10兆円程度増額、としており、ほぼ市場の想定どおりの内容となっている。日経平均は20円台水準へと上げ幅を縮小したが、かろうじてプラス圏は確保した。大引けは22.04円高の9659.18円。

また、昨日スイス中銀が利下げしたあと乱高下したスイス相場は、ユーロスイスが1.11台乗せと再びスイス売りが優勢になっている。ただ、NZドルはイングリッシュ財務相からNZドル高けん制発言があったことから対ドルで0.86台から0.85割れまで大きく売られるなど弱い動きだった。対円での上昇も1円程度とその他のクロス円よりは小幅だった。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明))