半導体最大手の米インテルが予想を上回る好決算を発表して市場関係者を驚かせている。スマートフォンやタブレットなどインテル製マイクロプロセッサーを搭載しないモバイル端末が急速に普及する中、パソコン販売が伸び悩んでいると言われるが、インテルの4~6月期の業績はそうした報告とは全く対照的だった。

売上高、5四半期連続で過去最高

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米カリフォルニア州サンタクララ市にあるインテルの本社〔AFPBB News

 理由は、新興国市場でのパソコン販売の伸び、先進国市場における高付加価値プロセッサーの需要、そして、モバイル端末の利用に必要とされるデータセンター向けサーバーの需要が拡大しているためという。

 インテルの4~6月期の売上高は1年前から約22%増えて130億3200万ドルとなり、5四半期連続で過去最高を更新した。

 純利益は同2%増の29億5400万ドル、1株利益は54セント、粗利益率は61%で、前年同期から6.6ポイント低下した。

 アナリスト予想は、売上高が128億4000万ドル、1株利益が51セントだった。パソコンの売り上げが業績の足を引っ張るとの観測が流れていたが、インテルはそうした不安材料を払拭した。

 また同社は7~9期についても売上高が135億~145億ドルの過去最高になると予想しており、粗利益率も64%程度に改善すると見込んでいる。

 ポール・オッテリーニ社長兼最高経営責任者(CEO)は「我々は今年後半の業績にも強い自信がある。通年の売上高伸び率は20%台半ばになるだろう」と強気だ。

 同社売り上げの地域別割合を見てみると、アジア太平洋地域が57%、米大陸が22%、欧州が12%、日本が9%となっている。新興国で初めてパソコンを買う人が急速に増えており、同社製プロセッサーの需要が高まっているという。