16日のロンドン市場で欧州債務国懸念が強まりユーロ、ポンドは売られスイスフランが逃避通貨として買われた。ユーロドルは昨日からの右肩下がりが継続、一時先月26日の安値レベル1.4070台に並びその後も軟調に推移している。ユーロ円は先月16日以来一ヶ月ぶりの113.40台まで売られた。ポンドも弱い経済指標が手伝って値を下げた。一方、逃避通貨として買われたのがスイスフラン。ユーロに対して1.1957近辺と過去最高値を付け、ポンドやドル、円に対しても買われた。
ギリシャでは内閣改造を実施するとして21日に新政府の信任投票を行うとギリシャ議会関係者が語っており、ギリシャ救済に必要な緊縮財政の行方に不透明感が高まっている。ギリシャ債は売られ利回りは過去最大、ギリシャの銀行株は15年ぶりの安値を付けているという。また、ギリシャやアイルランド、ポルトガルの期間5年のCDSスプレッドは過去最高値を更新した。ただ、ユーロ圏の複数の関係者によるとIMFは現行の救済計画の次回融資を早急に実行する見通しだとしている。EUがギリシャ支援計画をまとめる時間を稼ぐためだという。まだ希望は残っているようだ。
◆英経済指標で再びポンドは売られる
昨日は弱い雇用統計、本日は小売売上高発表でポンドは値を落とした。英5月の小売売上高は予想前月比0.6%減のところ1.4%減、前年比予想1.5%増のところ0.2%増とともに弱い内容となりポンドドルは1.6160台から1.6110台まで急落。ポンド円は130.40台から129.90台、ユーロポンドは0.8740台から0.8780台までポンド安が進んだ。その後も軟調に推移しポンドドルは1.6100近辺、ポンド円は129.70台まで下げ幅を広げた、ユーロポンドはユーロが弱いこともあって0.87台半ばでもみ合った。
Klugアナリスト 鈴木信秀