7日の東京市場は、豪中銀政策金利発表がメインイベントだった。朝方からのマーケットは各主要通貨とも狭いレンジでの揉み合いが続いた。豪中銀の発表を控えて豪ドルはジリ高の動きをみせた。一部には利上げを予測するエコノミストもあり、強気の声明への期待感もあった。しかし、結果は大方の予想通り4.75%での金利据え置き。声明では日本や欧州のリスクが警戒されたほか、国内経済でも新たに雇用の伸び鈍化が指摘されている。豪ドルはこの発表を受けて急落。一時1.0750レベルへと上昇していた豪ドル/ドルは一気に1.0670台へ、豪ドル円は86.30レベルから85.60台まで大きく売られた。オージー・キーウィー(豪ドル/NZドル)も1.3160レベルから1.3050割れへと100ポイント超の急落だった。市場ではやや豪政策金利動向への期待感が強かったようだ。声明文からは次回の利上げを示唆するような言い回しはみられていない。引き続き強気の見方を示すエコノミストもいるが、次回利上げ時期は8月以降との見方になっている。
◆主要通貨は揉み合いからやや買戻しに
ドル円は早朝の80円近辺から80円台前半でのジリ高の推移となっている。日経平均が、前日NY株が下げた割りには下げ渋ったことも円買いを一服させている。ユーロも買い戻しの動きがみられている。ユーロドルは1.45台後半での揉み合いから1.46台乗せ。ユーロ円は116円台後半から117円台前半へと水準を上げた。ワシントンで開催された夕食会でメルケル独首相がオバマ米大統領に、欧州は債務危機を克服するだろう、と話したことが報じられている。また、豪ドル売りが、その他通貨の買いにつながった面もあったようだ。NZドルは対豪ドルで急伸したことで対円や対ドルでも強かった。一方、ポンドはやや伸びを欠いた。朝方発表された5月の英BRC既存店売上が前年比マイナス2.1%と市場予想プラス2.0%から予想外の悪化となっていた。ポンドドルは1.63台前半での往来相場、ポンド円は131円近辺から30ポイント程度と小幅上昇に留まっている。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)