第6回大会からWBCの国内独占放送権を米動画配信大手の「ネットフリックス」が握り、地上波での生中継が姿を消したことである。
(写真:Mijansk786/Shutterstock)
この独占契約が決まると、日本国内はまるで幕末の「黒船来航」を想起させるような大騒ぎとなった。「地上波で放送されない今大会は、多くの人がWBCを見なくなるのではないか」「前回大会のような熱狂は失われる」といった悲観論がネット上を席巻した。
「熱狂」が前回ほどではないのはネットフリックスのせいなのか
特に既存の地上波キー局を中心とした“オールドメディア”は、この外圧に対して露骨なまでの警戒心と嫌悪感を剥き出しにした。
彼らにとって、国民的コンテンツが自分たちの手を離れ、配信プラットフォームへと流出することは既得権益の崩壊を意味する。それゆえか、メディア各社は「ネトフリ=悪」と言わんばかりのネガティブキャンペーンを張り、視聴者の不安を煽るような記事を連発する傾向が顕著に見受けられた。
確かに冷静に分析すれば、今大会の盛り上がりは現時点では前回大会のような「社会現象」と呼べるレベルには達していない。
だが、その要因をネットフリックスの独占契約だけに求めるのは早計だろう。今大会はミラノ・コルティナ冬季五輪の熱狂から間を置かずに開幕したことで、メディアの注目が分散している側面は否めない。
2年前の2023年大会は、1月の代表メンバー発表から3月の開幕まで日本中が「侍ジャパン一色」に染まるようメディアが総出で煽り立てていた。その「過剰な演出」が今大会ではなりを潜めていることが、相対的なスケールダウンを感じさせる要因となっている。