写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 日本代表の躍進が注目を集めたバスケットボール・ワールドカップ。格上を撃破し、2024年のパリ五輪出場権を手繰り寄せた。

 バスケットボールは近年、日本においても高い注目を集めている。

 プロリーグである「Bリーグ」はそのけん引役だ。東京五輪の雪辱を果たすべく自国リーグのレベルアップは欠かせない。

 今回はそんなBリーグの奮闘を紹介。

 京都をホームとするBリーグ「京都ハンナリーズ」のGM・渡邉拓馬氏とヘッドコーチを務めるロイ・ラナ氏が語りあう全3回(取材・文/田邊雅之、写真:花井智子)。

京都ハンナリーズGMの渡邉拓馬氏とHCのロイ・ラナ氏(右)。

渡邉GM「ロイさんとは運命的なものを感じた」

――渡邉拓馬さん(※現京都ハンナリーズGM。アルバルク東京などでプレー、日本代表としても活躍。現影引退後アルバルクでアシスタントGMなどを経て現職)は昨年、京都ハンナリーズのGMに就任。その後、ロイ・ラナさんをHC(※東京2020オリンピックドイツ代表チームのトップアシスタントを務め、ベスト8進出に貢献。また、NBAでは、サクラメント・キングスでACなどを歴任。現在はエジプト代表チームのHC兼任)に招かれ、クラブの再建と強化を進めてこられました。そもそもGMに就任されたきっかけから教えてください。

渡邉拓馬(以下、渡邉) 僕は現役を引退した後、草の根でバスケットボールを普及させていくために子供向けのスクールやクリニック、あるいは有森裕子さんが主催されているスペシャル・オリンピックスのサポートなどをさせていただいていました。

 でも時間が経つにつれて、あの緊張感をまた味わいたい、現場に戻りたいという気持ちが強くなってきて。

 ちょうどその頃、2021年7月に、京都ハンナリーズの先代の社長さんからGMのオファーをいただいたんです。自分はトヨタアルバルク東京では既にアシスタントGMをやっていましたし、GMというポジションは自分に向いているとも思っていました。

 そこでお話をお受けすることにしたんです。

――ロイ・ラナHCのことは、どのようにして知られたのですか?

渡邉  ロイさんのことは、アルバルクのユースの活動をしている時に知りました。20年前、カナダでは若手の育成強化プランが大きく変わりました。

 そして2017年に行われたU-19の世界大会で優勝するまでになったんですが、そのキーマンがロイさんだということを知って、以前から注目していたんです。

 しかもハンナリーズのGMに就任することが決まった後、知り合いのエージェントから、こういうコーチがいるよと紹介されたのが、ロイさんでした。タイミング的に運命的なものを感じましたし、エージェントから提供された詳しい情報は、まさに僕がイメージしていた通りの内容だったので、2021年の年末にHCになって欲しいとお願いしたという流れです。