俳優やアーティストの過去の不適切な言動を“発掘”して徹底的に攻撃。さらにはその人が関わった作品すべてを、世の中から葬り去ってしまう──。ますます苛烈化する「キャンセルカルチャー」に、私たちはどう対応すればいいのか。「日本で顕在化していくさまざまなリスクに対する防衛術」をひろゆき(西村博之)氏が提示した『日本人でいるリスク』(マガジンハウス)から、一部を抜粋・再編集してお届けする。(JBpress)
すでに謝罪しているのに「キャンセル」
欧米では、「キャンセルカルチャー」が猛威を振るっています。
キャンセルカルチャーとは、ある地位を得ている人に対し、過去の不適切な行動や発言を取り上げて、その地位を辞任(キャンセル)させるというものです。
たとえば、過去の問題であるにもかかわらず、SNSでの発言が「人種差別的」だと指摘された有名な大学教授が、学会からの除名を求められるというようなことがアメリカで頻発しています。
また、当時すでに謝罪しているのに、キャンセルが避けられないケースもあります。