11日の東京市場は、中国経済指標が注目された。序盤は前日NY市場の流れを受けてリスク選好ムードの円安の動きだった。ドル円は1週間ぶりに81円台乗せ、ユーロ円116円台後半、ポンド円132円台後半とNY市場から一段高となる場面があった。日経平均も寄り付き直後に100円超の上昇となった。市場では日本時間11時発表の一連の中国経済指標に関心が集まった。仲値通過あとはやや発表を控えて円安の動きが鈍った。指標結果は4月消費者物価指数が前年比5.3%と3月5.4%からやや鈍化したが、中国政府が目標としている4%を上回る結果だった。国家統計局は、中国は引き続き比較的大きい輸入インフレ圧力に直面、とコメントしている。また、その他の各経済指標も高水準ではあったが前月ほどの伸びは示さなかった。市場ではインフレ懸念が追加利上げにつながるとの見方や、これまでの引き締め効果で成長がやや鈍化するとの見方が交錯した。中国株はやや下げ幅を拡大、原油は下げに転じるなどリスク選好ムードは後退した。ドル円は80円台後半、ユーロ円116円台前半、ポンド円132円台前半へと軟化。1.44台前半へと上昇していたユーロドルは1.43台後半へと反落している。ただ、中国経済動向に敏感な豪ドルは対円で87円台後半、対ドルで1.08台半ばと高値水準を維持しており、リスク回避ムードまでは至っていない。円安一服といったところだった。3月の景気動向指数は東日本大震災の影響で大幅に落ち込んだが、為替市場は反応薄だった。
◆NZドル高けん制も、反応は軽微
NZドルは前日のNY市場での株高や原油高を受けて堅調に推移した。この日はNZ当局からの発言が多かった。早朝にはNZ中銀金融安定化報告で、同国地震の復興費用が当初予想を超える可能性が指摘された。その後、ボラードNZ中銀総裁は、商品高によるNZドル高は望ましくない水準、クライストチャーチ地震によるコストはGDPの8%規模に、と具体的な数字を挙げている。また、キーNZ首相は2011年度予算について、黒字回帰への実現可能なもの、海外からの借入れを減額する、赤字削減は持続性のある方法を採用する、と述べている。市場はボラード総裁のNZドル高けん制発言に反応する場面もあったが、動きは小幅に留まっている。NZドル円は64円台前半、NZドル/ドルは0.79台半ばでの振幅とNY市場からの高値水準を維持している。対豪ドルに対しても早朝にやや売られたあとは底堅く推移している。
(Klugシニアアナリスト 松木秀明)