喫茶店で辛いスープと蒸しパンのランチをいただくお客さんのテーブルに店の猫が乗って窓の外を見ていました。
猫は、外へ遊びに出るタイミングを見計らっています。外へ出たいけれど、犬がたくさんいるのでためらっています。意地悪そうな犬が目に入ったときは、シッポを大きく振ります。蒸しパンにシッポの先がふれましたが、お客さんは笑顔でただ見ていました。
ティンプーには、野良犬がたくさんいます。朝8時ごろ、小学校へと続く道です。この道は車が通らないと知っていて、寝ているのでしょうか。
犬が多いのは輪廻思想に関係があると、ガイドさんが説明してくれました。犬の次の生は人間だから、人の近くにいるというのです。犬たちは、よい人間に転生する(生まれ変わる)ために、人間の行動を見て勉強し、穏やかに過ごすように努めている。だから、犬たちの邪魔をしたり何かを強制してはいけないと信じられているのだそうです。
左右の目の色が違うオッドアイの犬がいました。この犬は、崖の上からわたしを見ていて、目が合うとちぎれんばかりにシッポを振りながら、駆け下りてきました。足ががっしりとしているのは、ふだんから崖を登ったり下りたりしているからかもしれません。