辛亥革命110周年記念大会で演説した習近平国家主席(2021年10月9日、写真:ロイター/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 11月8日から第19期中央委員会第6回総会(6中全会)が中国・北京で開幕する。

 国営通信社の新華社によると、中国共産党中央政治局は10月18日に会議を招集し、建党100周年奮闘の重大成果と歴史経験問題を全面的に総括。11月8日から11日間の日程で6中全会を開催することを同時に発表した。6中全会では「党の100年奮闘の重大成果と歴史経験に関する決議」(歴史決議)を可決するという。

 これは中国共産党史上3回目の歴史決議になる、ということでチャイナウォッチャーたちはざわついた。というのも、共産党の歴史決議というのは、だいたいが激しい権力闘争の勝敗を決するタイミングで行われ、政敵や前権力者が主張する歴史や路線を「過ち」と否定することで、自らの権力者としての独裁的地位の確立させることを意味してきたからだ。

1回目と2回目の歴史決議とは

 たとえば1回目の歴史決議は1945年の第6期7中全会における毛沢東の「若干の歴史問題に関する決議」。

 この決議は、1940年代に吹き荒れた「整風運動」(反体制派粛清キャンペーン。「延安整風」とも言う)を背景に作成・採択された。ボルシェビキ(ソビエト連邦共産党の前身)を後ろ盾に持つような古参幹部たちを粛清し、彼らが主張してきた党の路線が過ちであったという形で党史を総括することによって、毛沢東が中国共産党の最高指揮官としての地位を確立させる意味があった。