宮内庁から正式発表された秋篠宮皇嗣殿下の長女の眞子内親王(29)と、婚約内定者である小室圭氏(30)との「ご結婚」が10月26日に迫る中、テレビや新聞では、従来、目立たない扱いであった天皇や皇族のご公務のニュースが前面に押し出され、その数も増えている。
そうした中、秋篠宮家の次女である佳子内親王(26)と、高円宮家の長女の承子女王(35)が相次いで述べられたお言葉と背景が注目されている。
まず、承子殿下は10月9日に行われた国際会議「法遵守の文化のためのグローバルユースフォーラム」において、若い世代の未来を創造する力に期待を寄せるという旨の英語のスピーチをされた。この会議のテーマである「法遵守の文化」については上川陽子前法務大臣が退任直前の9月27日に、「国民が、法やその執行が公正・公平であると信頼し、それゆえこれらを尊重する文化を意味する」と説明している。
日本国憲法第7条に基づいて法律を公布する天皇のご一族が、詐欺罪容疑で10月6日に刑事告発された圭氏の母親、佳代氏の家族と親戚になることの是非が議論される中、以前から予定されていたイベントであるとはいえ、承子殿下のご公務は象徴的な意味を帯びていたと言えよう。
ジャーナリストの篠原常一郎氏の緻密な調査により、しっかりとした物証で固められた佳代氏への告訴が不受理あるいは捜査後不起訴となり、それを世論が秋篠宮家に対する忖度の結果であると見なせば、「国民が、法やその執行が公正・公平であると信頼し、それゆえこれらを尊重する」ことは不可能になると思われる。
それはとりも直さず、日本国憲法への国民の信頼崩壊と法の支配の衰退へとつながろう。また、憲法第1条に定められた主権在民や「日本国民の統合の象徴である天皇」の大前提も崩壊し、天下の乱れにつながろう。現行憲法下の日本国にとって今ほど、「法遵守の文化」が大切になったことはない。