「ウェルビーイング」という新しく大きな潮流は、日本人のライフスタイルをどのように変えるのか? また、それに応じてどんな新しい産業や市場が生まれるのか? 消費者目線で社会トレンドをウォッチし続けてきた統合型マーケティング企業「インテグレート」CEOの藤田康人氏が考察していく。(JBpress)

経営戦略としての「ウェルビーイング」

 ウェルビーイングとは、“幸福で、肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態”を意味します。今回は、まだまだ黎明期にある日本国内におけるウェルビーイング関連ビジネスをピックアップし、そこから見えてくる日本版ウェルビーイングの実態とこれからの潮流について考察していきたいと思います。

 グーグルトレンドを見ると2014年くらいから「ウェルビーイング」の検索数が急増しています。これに伴い、日本のウェルビーイング関連ビジネスにおいては、特に「従業員のウェルビーイング増進」が大きなテーマとなっています。

 生産人口が減少し、グローバル競争が激化する状況において、優秀で多様な人材の確保が、企業の持続的な成長のためにきわめて重要な経営課題として認識されるようになってきました。そんな中、経営コンサルティング会社から人材派遣、さらには能力開発系スタートアップ企業に至るまで、HR領域をドメインとする企業を中心に、「ウェルビーイング経営」を自社の戦略テーマに据え、様々なソリューションを展開しています。

 たとえばコンサル業界ではデロイト トーマツ グループが「ウェルビーイング社会」の構築を目標に掲げ、「『Well-being社会』の構築を目指すためには、まず何よりもグループに属する社職員一人ひとりのWell-beingが確保され、その継続的な改善・向上に向けた取り組みが推進されることが出発点にならなければなりません」と表明しています。