米アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)が自動運転車の開発計画をほのめかしたと、米CNBCが4月5日に報じた。ポッドキャストのインタビュー番組で語ったという。
クック氏「製品を取り巻く重要技術を自社で持ちたい」
「私の考えでは自律動作は中核技術だ。一歩離れて見れば、自動車はさまざまな点でロボットの要素がある。そして自律走行車はロボットだ。自律技術を使ってできることはたくさんある。我々はアップルが何をするのか検討している」と述べた。
同氏は「社内で多くのことを研究している。多くは日の目を見ないが、1つも日の目を見ないとは言わない」とも語った。
アップルが自動車そのものを開発しているのか、それとも自動車に使われる技術を開発しているのか、という問いにクック氏は答えなかった。
だが「我々は製品を取り巻く重要技術を自社で持ちたいと考えている」とし、「ハードウエアやソフトウエア、サービスを統合したいと考えており、それらの交点を探っている。そこに不思議な力が宿ると信じているからだ」とも語った。
テスラに移籍した技術者呼び戻しプロジェクト進展
アップルは2014年に「タイタン・プロジェクト」と呼ばれる自動運転開発の取り組みを始めたとされる。このプロジェクトは一時、膨大な数の人員と費用を投じて技術開発に取り組んでいたものの、その後曲折があったと言われている。18年には計画を縮小し、自動運転のソフトウエア開発に注力する方針を打ち出したと報じられた。
だが、その後の報道によると、アップルの元ハードウェアエンジニアで、米電気自動車(EV)メーカーのテスラにエンジニアリング部門シニアバイスプレジデントとして移籍していたダグ・フィールド氏を18年に呼び戻した。フィールド氏はタイタン・プロジェクトの責任者に就いたとされる。それ以降、プロジェクトは進展し、消費者向けEVの製造を目指すまでになったと伝えられている。