イメージと乖離していたマルハニチロの実態
「マルハニチロ=養殖の会社」と思って購入した私ですが、ではマルハニチロの実態はどうだったのでしょうか? 2019~2020年にかけてのマルハニチロの全体売上高は約9000億円、そのうちの養殖事業としての売上は約390億円。養殖事業の売上は全体の5%弱ほどしかなく、「マルハニチロ=養殖の会社」というのは明らかに間違った「イメージ」であったことがわかります。
このように企業全体でみて、ものすごく小規模な部分に焦点をあて投資をしているのは、今考えてみればいかがなものかと思います。さらにこの時、台風被害などで養殖事業も収益性が悪化、投資しようとしたきっかけである「養殖事業」が大きく足を引っ張る状況でした。また、マルハニチロ全体としても業績不振により株価が下落。結果的に-20%の損失・大失敗の投資となりました。
「イメージ投資」を避けるために見るべきこと
多くの方が企業に投資するときは「この事業が面白そう!」というふうに好感をもって投資すると思います。しかし「この事業が面白そう」というのがイメージ投資を産み出す引き金になります。そしてイメージ投資の結果、多くの投資初心者が損失を被ることでしょう。では、このような「実態に即していないイメージだけの投資」をやめるためにはどこをみるべきなのでしょうか?
ぜひ、皆さんに見ていただきたいのは決算資料の「セクター(セグメント)別の売上高」です。多くの企業は決算資料をPDFファイルなどで自社サイトに掲載しているので、そこから見ていただくといいと思います。そして、セクター(セグメント)別売上高を確認することで「会社の実態」というものを確認できるため、自分のイメージが正しかったか?を確認してください。
出所:マルハニチロ『2020年3月期連結決算 セグメント別損益及び貸借対照表説明』よりMonJa編集部作成
また、企業によっては事業ごとの売上高推移なども掲載している場合があり、そのような推移を確認することで「自分が投資したい事業が本当に伸びているのか?」ということをチェックできると思います! ぜひ皆さんには私の失敗を反面教師として、「イメージ投資」から卒業してください。