障害基礎年金で受け取れる金額は?

 障害基礎年金では、障害等級によって受け取れる年金額に違いがあります(年金額は2020年度現在)。

【受け取れる年金額】
 1級:「975,125円(781,700円×1.25)+子の加算」
 2級:「781,700円+子の加算」

【子の加算額】
 第1子と第2子:各224,900円
 第3子以降:各75,000円

 障害基礎年金として受け取れる781,700円は、国民年金を40年間納付した場合の老齢基礎年金と同額です。

 また子とは、「18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子」または、「20歳未満で障害等級1級または2級の障害者」です。子がこの年齢を超えると、加算額の支給がなくなります。

障害厚生年金で受け取れる金額・条件は?

 障害厚生年金は、障害の状態により1級、2級、3級と障害手当金(一時金)に分かれます。

 障害基礎年金と障害厚生年金の1級、2級の障害状態の基準は同一。3級は2級より軽い障害、障害手当金(一時金)は3級より軽い障害の方が該当します。なお、障害手当金の認定は初診日から5年を経過した日、または5年以内で症状が固定した日になります。

 それぞれ受け取れる年金額は以下の表の通りです。

障害等級 障害基礎年金 障害厚生年金
1級 781,700円×1.25+子の加算 報酬比例の年金額×1.25
+配偶者加給年金
2級 781,700円+子の加算 報酬比例年金額
+配偶者加給年金額
3級 報酬比例年金額
(586,300円を最低保障)
障害手当金(一時金) 報酬比例の年金額×2
(1,172,600円を最低保障)

出所:日本年金機構「障害年金ガイド」を基に筆者作成

 障害厚生年金に子の加算はなく、配偶者加給年金(224,900円)が用意されています。配偶者加給年金は、1級、2級の障害厚生年金を受給されている人に、生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合に支給されます。

 ただし、年収が850万円以上の配偶者は加算の対象外。それ以外にも、配偶者が20年以上の厚生年金加入による老齢厚生年金、または障害年金を受け取っている間は支給停止といった制限があります。

厚生年金加入期間が短い時に障害認定を受けたら

 障害厚生年金では、被保険者期間が300か月(25年)に満たない場合、300か月として報酬比例年金額を計算することになっています。これにより、厚生年金加入期間が短い方が障害認定を受けた場合も、手厚い保障が受けられるようになっています。

 また、障害厚生年金の3級と障害手当金(一時金)には、障害基礎年金との合算がありません。そのため、上記の表にあるように最低保障額をそれぞれ設定しています。

障害年金受給後は「障害状態確認届」が届く

 障害年金の受給後に、障害の状態が良くなったり悪くなったりする場合があります。障害の状態を確認するために、「障害状態確認届」を日本年金機構が受給者に送付します。

 確認届を受け取った受給者は提出期限3カ月以内の障害の状態を記入して日本年金機構あてに郵送または近くの年金事務所への提出が必要です。もし、提出遅れや記入不備があった場合、年金が一時止まる場合がありますので注意しましょう。

まとめ

 障害基礎年金は子供のいる方に手厚い制度です。一方、障害厚生年金は障害基礎年金に比べて保障の範囲が広くなっているほか、配偶者のいる方に手厚い制度と言えます。

 これは、障害年金と同様に公的年金の一つとして用意されている遺族年金でも同様です。次回では、遺族年金について詳しく見ていきます。