開いた口がふさがらないとはこういうことを言うのだと思います。まず、グラフを確認しましょう。
6月21日から7月8日までの「東京都」の「確定感染者数」の推移を示しました。
報道は7月8日「5日ぶりに2桁に戻った」などと報道していますが、逆に言えば5日間だけ、異常なピークがあったことになります。
7月2日、突然、確定感染者数が107人に急増。7月4日に131人のピーク迎え、7月5日が「東京都知事選挙」の投票日。
それ以降、同じ3日間という日数をかけて降下し、7月8日は75人という数字になっています。
他方、6月21日から約3週間の感染者数の推移を、7月2日以降の急増を無視して外挿すると、やはり7月8日は75人ほどの人数になります。
これはいったい何を示しているのか?
それを展開する前に、本稿を校正の最中、「東京都新規感染220人」という、これまた頭痛な情報がスクープのごとく入ってきました。
こんなもので、一喜一憂していては、身が持ちません。よろしいでしょうか。こうしたデータの変化は本質的には2週間程度前の変化が時差を持って現れます。
6月下旬に何か劇的な変化と誰の目にも明らかな変化がありましたか?
緊急事態宣言解除も東京アラート解除もテンポがずれています。本当に恐れるべき、制御不能な市中感染を示す指標として、このような乱高下は全く参考になりません。
種明かしをお見せしましょう。東京都のホームページ(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/?tab=reference)で、7月6日に行われた「検査実施件数」を見ると3129件と突出しているのが分かります。