市場の全銘柄を対象にするインデックスファンドは珍しい

 次に、今回のメインテーマとなる指数とインデックスファンドの関係をみていきましょう。

 インデックスファンド(ETF含む)には、日経平均株価、JPX日経インデックス400、S&P500、NYダウ平均株価など、対象となる市場の中から一部の銘柄を選んで算出するタイプの指数と連動するファンドが数多くあります。

 しかし、TOPIXやナスダック総合指数など、市場の全銘柄を対象にするタイプの指数に連動するインデックスファンドを調べてみると、TOPIXに連動するファンドは多いものの、ナスダック総合指数に連動するファンドは見当たりませんでした。

 ナスダックに関しては、「ナスダック100」というナスダックに上場している金融セクター以外の時価総額上位100社で構成されている指数と連動するインデックスファンドだけを見つけることができました。

 また、中国の上海総合指数に連動するインデックスファンドについても調べてみましたが、こちらも上海証券取引所に上場する銘柄の一部を選んで算出する「上海50指数」に連動するインデックスファンドしか見当たりませんでした。

 日頃、日経平均連動型、TOPIX連動型などとインデックスファンドについてあまりこだわらずに話していますが、TOPIX連動型のように特定の市場の全銘柄を対象にして運用されるインデックスファンドはかなりユニークなものかと思います

TOPIX連動型ファンドを購入する際の2つの注意点

 2020年3月16日の日銀金融政策決定会合では、株価の買い支えを目的に、ETFの買い入れ額が従来の上限年間6兆円から12兆円に引き上げられました。購入対象のETFは、TOPIX、日経平均、JPX日経インデックス400となっており、その中で購入比率が最も高いのがTOPIX連動型のETFです。

 また、TOPIXのような市場全体を対象に算出する指数は、銘柄選択を行う指数と比べ、銘柄選択を行わない分、玉石混交の銘柄構成にならざるを得ない特徴があります

 TOPIXに連動するインデックスファンドの購入にあたっては、以上2点(日銀買い入れ、玉石混交)も押さえて検討するようにしましょう。