単身世帯の老後生活費は月々約16万円

 同調査によると、2018年の高齢単身世帯(60歳以上の単身無職世帯)の生活費は、月平均で149,603円でした。支出の内訳を見てみると、約25%を食費が占めており、次いで住居の12%、教養娯楽の11%が続きます。

 高齢夫婦世帯と比べると、単身世帯では住居費の占める割合が高く、割高の傾向にあるようです。とはいえ、住居にかかっている費用は単身世帯でも月々たったの18,378円。高齢世帯では、ローン返済の終わった持ち家や、賃貸でも家賃の安い物件に住んでいるケースが多いと想定される点に注意が必要です。

単身世帯の老後生活費内訳

  金額(円) 構成比
支出合計 149,603 100%
食料 36,378 24.3%
住居 18,268 12.2%
教養娯楽 17,082 11.4%
交通・通信 14,405 9.6%
光熱・水道 13,109 8.8%
保険医療 8,286 5.5%
家具・家事用品 4,780 3.2%
被服及び履物 3,766 2.5%
教育 0 0.0%
その他合計 33,528 22.4%
―交際費 18,281 12.2%
―諸雑費 14,488 9.7%
―仕送り金 692 0.5%

出所:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)

 単身世帯の場合も、月平均で12,392円の非消費支出があります。そのため、老後単身世帯の1か月あたりの平均支出は、合計で161,995円となります。一方、単身世帯の老後収入の平均は月123,325万円と、支出よりも38,670円少なくなっています。老後の単身世帯では、月々3.8万円程度を貯蓄から切り崩して補填していると考えられるでしょう。

単身世帯の老後家計収支
単身世帯の老後家計収支出所:家計調査年報(家計収支編)2018年(平成30年)

 85歳まで生きると想定してシミュレーションしてみると、単身世帯では「3.8万円×12か月×25年=1140万円」程度を老後資金として準備しておく必要があるといえます。病気や介護などイレギュラーな出費がある可能性を踏まえると、単身世帯の場合でも、上記はあくまで最低ラインの金額と捉えておくのが良さそうです。

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