2010年11月23日、韓国の延坪島を北朝鮮が砲撃した。このとき不発弾が多く発見され、北朝鮮の砲弾の品質が悪いことが明らかになった(写真:Newscom/アフロ)

 北朝鮮(以後、北)では、通常兵器の訓練となると、相変わらず極端な誇張宣伝をする。ポンコツ兵器で脅威を与えるための工夫なのだろう。

 北軍は4月、軍団から選別された迫撃砲の中隊(18門編成か)あるいはその隷下の区分隊(日米では小隊で6門編成か)による射撃競技を実施した。

 朝鮮中央通信(4月10日)の内容を要約すれば、次のようになる。

「各軍団長の力強い射撃号令が下されると、迫撃砲兵区分隊の鋼鉄砲身が一斉に火を噴き出し、標的は瞬間に火の海と化した。砲弾に目が付いているように標的に命中する」

「各軍団の砲兵中隊は、砲弾60発中60発を正確に標的に命中させた」

 この訓練を金正恩委員長が視察し、各軍団長がそれぞれの砲兵部隊の中隊あるいは小隊レベルに号令を出したというのだ。

 これらの記事と、大きな火を噴く迫撃砲の写真を見ると、大規模な射撃訓練が行われているような錯覚を受ける。

 実は、今回、軍団から選ばれた迫撃砲の中隊・小隊レベルの射撃の様子である写真には、3月に行われた射撃と同様に多くの加工が施されている。以下、具体的に紹介する。