S&P500

 米国の主要企業に幅広く投資したいときに便利な指数『S&P500』。本記事では、『S&P500』に連動する投資信託を一覧でまとめるとともに、コストや純資産残高を比較します。

S&P500とは?

 『S&P500』とは、米S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が提供する、アメリカの代表的な株価指数です。米国の主要な上場企業500社の株価をもとに算出されており、その時価総額は米国株式市場全体の約80%をカバー。米国株式市場に投資する投資信託などで、ベンチマークとして幅広く活用されています。

 S&P500との連動を目指す投資信託であれば、基本的にどのファンドもほぼ同じ値動きをします。従って、なるべくコストの少ないファンドを選ぶことが、利益を獲得する上で重要といえるでしょう。

S&P500に連動する投資信託

ファンド名 純資産
(百万円)
信託報酬
(税込)
つみたて
NISA
運用会社
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド 18,209 0.0938% SBIアセットマネジメント
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 54,058 0.0968% 三菱UFJ国際投信
つみたて米国株式 (S&P500) 1 0.2200% 三菱UFJ国際投信
iFree S&P500 インデックス 7,887 0.2475% 大和証券投資信託委託
NZAM・ベータ S&P500 7 0.2673% 農林中金全共連アセットマネジメント
農林中金<パートナーズ>つみたてNISA米国株式
S&P500
1,877 0.4983% 農林中金全共連アセットマネジメント
農林中金<パートナーズ>米国株式 S&P500インデックスファンド 191 0.6083%   農林中金全共連アセットマネジメント
iFreeレバレッジ S&P500 765 0.9900%   大和アセットマネジメント

※2020年3月16日時点

コストで選ぶなら:SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

 2020年3月16日時点でもっとも信託報酬の少ないS&P500連動の投資信託は、SBIアセットマネジメントの『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』です。信託報酬は、年間で税込み0.0938%。100万円を運用したとしても、かかるコストは年間たったの938円です。

 純資産残高は、182億900万円と第2位にランクイン。2019年9月の設定日から半年程度しか経過していないにもかかわらず、多額の資金を集めています。

 唯一の欠点は、SBI証券でしか購入できないこと。SBI証券の口座を持っていない人で、低コストなS&P500連動の投資信託を購入したい場合は、次に紹介する『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』を検討するといいでしょう。

純資産残高で選ぶなら:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

 『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』の次に信託報酬が少ないのは、三菱UFJ国際投信の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』です。信託報酬は、年間で税込み0.0968%。『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』と比較しても、遜色ない低コストぶりです。

 純資産残高は540億580万円と、2020年3月16日時点でもっとも運用残高の多いS&P500に連動する投資信託です。より多くの人が資産を預けている観点から、人気のファンドといえるでしょう。

 三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズは、業界最低水準の運用コストを目指すインデックスファンド・シリーズです。今後も引き続き、比確的安い信託報酬での運用が期待できます。

レバレッジをかけるなら:iFreeレバレッジ S&P500

 S&P500にレバレッジをかけて投資したい場合は、大和アセットマネジメントの『iFreeレバレッジ S&P500』が役立ちます。

 レバレッジとは「てこ」のことで、少ない資金で大きな金額を取引することを意味します。例えば「S&P500が100円値上がりしたら、『iFreeレバレッジ S&P500』は200円値上がりする」「S&P500が200円値下がりしたら、『iFreeレバレッジ S&P500』は400円値下がりする」というように、『iFreeレバレッジ S&P500』はS&P500の2倍程度の値動きを目指すファンドです。

 レバレッジ型の投資信託は値動きが大きいため取扱いに注意が必要ですが、上手に活用すれば効率よくリターンを得られるでしょう。

つみたてNISA対象商品もある

 2020年3月16日現在、S&P500に連動する投資信託では下記の6ファンドがつみたてNISAの対象商品になっています。

  • SBIアセットマネジメントの『SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド』
  • 三菱UFJ国際投信株式会社の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『つみたて米国株式(S&P500)』
  • 大和アセットマネジメントの『iFree S&P500 インデックス』
  • 農林中金全共連アセットマネジメントの『NZAM・ベータ S&P500』『農林中金<パートナーズ>つみたてNISA米国株式 S&P500』

 先述の『iFreeレバレッジ S&P500』など、S&P500に連動する投資信託の一部はつみたてNISAの対象外になっています。つみたてNISAを活用した資産形成を考えている場合は、あらかじめ対象ファンドを確認しておくと安心です。