ファンド

アクティブとインデックスの2種類がある

 投資信託(投信)には、アクティブ運用とインデックス運用の2つがあります。一般社団法人投資信託協会の投信総合ライブラリーに登録されている投信の本数は、全体で6081本。うちインデックスファンドが991本、インデックスファンド以外が5090本です(2019年12月現在)。

 インデックスファンド以外の大半は、アクティブファンドです。インデックスファンドは、1976年に米国で初めて設定された比較的新しい運用スタイルのファンドです。それ以前は投資信託イコールアクティブファンドの時代でした。最近は、インデックスファンドが人気のようです。

 以下、アクティブ運用、インデックス運用の特徴とインデックスファンドの人気の理由についてみていきましょう。

アクティブ運用とは

 投資信託は、ファンドマネージャー(運用のプロ)が一般の投資家に代わって株や債券などに投資をし、その成果を投資家に還元する投資商品です。ファンドマネージャーはいい成果を目指し、銘柄を選び投資を行います。この銘柄選びや銘柄入れ替えを積極的に行うことがアクティブ運用の特徴です。また、「値上がりを重視」、「安定した配当収入を重視」など、ファンドごとに成果についての考え方や運用方針が異なります。

 多くのアクティブファンドでは、成果が投資家にわかりやすいようにベンチマークを設定しています。日本株であれば、日経平均やTOPIX(東証株価指数)といった指数(インデックス)が、米国株ではS&P500(米国の証券取引所に上場された代表的な500銘柄で構成される株価指数)などがベンチマークとして採用されています。

 前述の通りアクティブファンドは、ベンチマークを上回る運用を目指して積極的に銘柄の入れ替えを行います。銘柄を選定するために投資対象の会社の業務内容や決算、経営者の考え方など調べます。そのため、会社を調査する費用や銘柄入れ替えに伴う費用がかかり、その分のコストが信託報酬などに反映されます。

インデックス運用とは

 インデックス運用もベンチマークを設定します。ただし、ベンチマークを上回るのではなく、採用したベンチマークと同じように動くことを目指して運用されます。ベンチマークに比べ大きく上昇したり、大きく下落したりすることは、インデックスファンドとしてはNGです。

 例えばTOPIXに連動するファンドでしたら、TOPIXが2%上昇すればそのファンドも2%前後上昇し、TOPIXが1%下落すれば1%前後下落するようなファンドが評価されます。

 運用コストに関しては、日経平均やTOPIXで銘柄入れ替えが行われない限り、ほとんど銘柄の入れ替えをする必要がありません。その分コストを抑えることができ、アクティブファンドに比べて信託報酬などが低く設定されています。

なぜインデックスファンドが人気なのか

 2019年は「年金2000万円問題」により老後資金への関心が高まりました。それにより、若い時から投資を始める方が増えました。例えば25歳から運用を始めますと、65歳まで40年間あります。運用期間はかなりの長期間です。

 アクティブファンドの場合、「値上がりを重視する」「安定した配当収入重視」などの運用方針に基づいて運用するため、どうしても市場の変化によって期間ごとの運用成果にばらつきが出てしまいます。どのファンドを選ぶかが、いい成果を得られるかどうかの分かれ目になってしまうのです。

アクティブファンド、インデックスファンドとベンチマーク

 一方、インデックスファンドの場合、株価が上昇下落を繰り返しても、長期的に右高上りであればベンチマークに連動した市場平均の運用成果を享受できます。また長期運用では、手数料が運用成績に大きな影響を与えるため、手数料の安いインデックファンドが有利になります。加えて、つみたてNISAのラインアップのほとんどがインデックスファンド(166本中148本)であるなどの理由から、最近インデックスファンドが人気なのでしょう。

 次回はバランス型の投資信託についてみていきます。

 知っておきたい資産運用のキホン【第8回】バランス型ファンドの仕組みを知ろうはこちらから