「リボ払い」をネットで検索すると、検索結果の見出しに「危険」「怖い」「借金地獄」などのおどろおどろしい言葉をちらほら見かけます。
リボ払いは、クレジットカードを持っている方なら誰もが利用できる支払い方法であり、もちろんカード会社が提供している正規のサービスです。本当に、そこまで強く非難されるほど恐ろしいものなのでしょうか?
毎月の返済額を一定にする仕組み
リボとは「リボルビング」の略であり、英語の「revolving」は「回転」という意味です。たとえば英語で回転寿司のことを「revolving sushi bar」と表現することがあります。
クレジットカードのリボ払いは、英語で「revolving credit」と呼ばれます。直訳すると「回転式の支払い」となりますが、英語表記では実際の支払いの仕組みをイメージしにくいかもしれません。
リボ払いの仕組みは、簡単にいうと「借入額の大きさによらず、毎月の返済額を一定にする返済方法」です。返済回数によって毎月の返済額が決まる分割払いとは異なり、返済額によって返済する期間が長くなったり短くなったりすることが特徴です。
つまりこういうことです。
まず、金利がゼロの場合を想定してみます(もちろん現実には金利ゼロでリボ払いを利用できるクレジットカードはありません)。
Aさんがクレジットカードを使って10万円の買い物をしたとします。返済をリボ払いとして、毎月の返済額を1万円に設定すれば、10カ月後に返済が完了します。
ところがAさんは、返済期間中にさらに5万円の買い物をしました。カードの利用額(=借金)は、最初の10万円と合わせて15万円となるので、返済が終わるのは、当初から数えて15カ月後になります。
実際は返済に一定の利息がかかるので、返済額は15万円より大きくなります。毎月1万円の返済の場合、返済が終わるのは15カ月後ではなく、さらに1~2カ月ほど後になります。
また、返済方法には「元利定額」と「元金定額」があり、それぞれ毎月一定の返済額の中に利息を含むか、利息を分けて支払うかという違いがありますが、ここでは詳細な説明は省きます。
意図せず返済期間が長くなり、利息が増える怖さ
なぜ、リボ払いは「危険」といわれるのでしょうか?
ひとつは、毎月の返済額が基本的に一定のため、たくさん買い物をしても、たくさんの借金を背負っている実感がわきにくいことです。預金残高が減っていないのをいいことに調子に乗って高額な買い物を続けていたら、いつの間にか借金がふくらんでしまい、返済できなくなったという例も珍しくありません。
もうひとつは、返済期間が長くなるほど支払う利息が増えることです。クレジットカードなどのローンに共通のこととして、返済期間が短いほど利率が低くなり、長いほど高くなるという仕組みがあります。たとえば50万円の買い物をして、元利定額で月1万円のリボ払いをすると、返済に6年以上かかり、元本の半分を超える25万円以上の利息を支払うようなケースもあります。
もっとも、分割払いでも支払い回数を48回や60回など長期間に設定すれば、リボ払いで同じくらいの期間で返済した場合と同程度の利息を支払うことになります。ただ、最初から期間が決まっている分割払いと違って、返済期間中にもカードを使うことで、返済期間が意図せず長期化してしまい、利息がさらにふくらんでしまうのが、リボ払いならではの怖さといえます。
クレジットカードのメリットは、必要なお金が貯まるのを待たずに高額な買い物ができること。その代償として高い利息を支払うことになりますが、商品やサービスをいち早く手に入れられるメリットはお金に代えがたいものです。
毎月の返済額だけでなく、利息をどのくらい支払っているか、あとどれだけ返済すればいいのかを確認しながら無理のない範囲で利用すれば、リボ払いも決して怖いものとはいいきれません。