運用はアメリカの田舎「オマハ」で

 バフェットは大学卒業後、ウォール街で勤務しました。しかし金融の中心街の余計な騒音から離れた方が優れた判断ができるとして、1965年に同社を設立して以来、生まれ故郷の米中西部ネブラスカ州のオマハに住んで運用を行っています。バフェットが求めたのは都会の刺激やたくさんの情報ではなく静けさでした。

 オマハではつつましい家に住み続けており、高級車に乗り回すこともありません。ハンバーガーやコーラが大好きで、ジョークを飛ばし、きさくて、かざらない人柄で愛され、「オマハの賢人」と呼ばれています。そのオマハでは、毎年5月にバークシャーの株主総会が開催されます。バフェットの言葉が直接聞け、その投資哲学や生き方が実感できるため世界中から4万人以上もの投資家である株主が集まる人気者です。

かざらない人柄で愛される「オマハの賢人」かざらない人柄で愛される「オマハの賢人」
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世界3位の資産家で、そのほとんどを慈善事業に寄付する

 米国経済紙フォーブスの2019年3月の報道によると、バフェットの資産総額は825億ドル(約9兆円)で世界第3位であり、ビル・ゲイツ(第2位)に次ぐお金持ちです。バフェットは、保有する自己の財産(バークシャー・ハサウェイ株)のほとんどを慈善事業に寄付するとして、これまで、340億ドル以上の自社株を、ビルゲイツとともに作った財団などに寄付をしています。

バフェットから学ぶこと

 目先の利益を追求しないバフェットの長期投資の手法は個人投資家に向いています。自分の理解できる範囲でじっくり銘柄を検討して良い株を安い時に買う。目先の株価を追いかけず、企業の成長の成果を得る、株式投資の本質をついたその手法は個人投資家にとってとても参考となります。

 次回は、証券会社の選び方を説明したいと思います。

 第11回 株式配当金を得るためのポイント