韓国ソウルの大統領府(青瓦台)前で中国人の韓国入国禁止を求める人たち(1月29日、写真:AP/アフロ)

 新型コロナウイルスの拡散は、中国と地理的に近く、様々な面で「中国依存度」が高い韓国でも衝撃を与えている。

 政府は拡散防止と、国民の間で過度な不安が高まらないように必死の対応だ。

 韓国では多くのメディアが、新型コロナウイルスを「武漢肺炎」という名称で報じている。

 政府は、新型コロナウイルスと呼んでおり、政府系の通信社などもこの名称を使っているが、「武漢肺炎」の方が、一般的には広く使われている。

連休明けで一気に不安広まる

 韓国は、1月24日から27日まで、旧正月の連休だった。学校は長い冬休み期間中で、この間は、中国に出かけた人たちを除くと新型コロナウイルスに対しても比較的静かな反応だった。

 連休明け前日の27日、「連休中に中国を訪問した社員は、2週間、在宅勤務を認めるので申請するように」という連絡を送った韓国企業も少なくなかった。

 この頃から関心が急に高まったが、27日まではソウル市内を歩いていてもマスク姿はさほど見かけなかった。

 28日の朝の出勤時も、マスクを使用している地下鉄の乗客はそれほど多くなかった。朝7時過ぎに入ったスターバックスもいつもと変わらない様子だった。

 ところが、午後になると様子が一変した。マスク姿が急に増えた。地下鉄駅にはアルコール消毒液が置いてあった。

 夕方、知人とスターバックスに行ったら、従業員はマスク姿。ここにもアルコール消毒液がある。