10月26日時点、千葉県と福島県を併せた集中豪雨による犠牲者が10人、行方不明は4人と報道されています。これは大変なことです。
台風19号被害があまりにも大きく、私たちはいまにわかに、犠牲者報道などを見慣れてしまっていることを疑わねばならないように思います。
ほんの50日ほど前、千葉大停電を引き起こした台風15号では犠牲者が1人発生。
あってはならないことですが、今回の集中豪雨は大雨被害を列島にもたらした「台風19号よりは規模が小さい」といった事前情報を裏切り、1か月分の降雨が数時間に集中する、まさに「異常気象」で、大きな被害につながってしまいました。
台風15号と比較しても、単純に犠牲者数だけで現時点で10倍、台風19号と合わせれば、すでに「10月連続台風」による犠牲者は3桁に達しており、国は抜本的な対策を講じる必要が間違いなくあります。
佐倉駅の線路が水底に沈んでいる映像を目にして、ただちにこの原稿を準備し始めた途中で、今度は印旛沼が危険水位を超えたという報道がありました。
報道は断片的で、何が起きているのか読者や視聴者が理解するのは困難と思いますので、最も基本的なポイントを3点、とり急ぎ強調したいと思います。
1 今回の豪雨だけではなく、一連の連続台風による降雨の「積算効果」が影響している可能性がある。
2 JR、京成電鉄とも佐倉駅、また成田駅が冠水しているが、佐倉は高梁川、成田は根木名川で、同じ利根川水系に属すると言っても、全く別のルートで同時に増水している。
3 佐倉の冠水は高崎川~鹿島川を通じてつながる印旛沼水位と一体で、印旛沼は戦後の干拓事業で2分割されており、利根川増水時は逆流洪水のリスクがある。
この3点に絞って記したいと思います。