(編集部注:以下、比呂田氏が記した内容は、当時はその国で合法であったり、そういう慣習が許されていた時期の出来事が含まれます。筆者の意図を尊重し、そのまま情報として掲載していますが、読者の皆様はくれぐれも真似をしないようにお願いいたします)
快楽は世界人類の共通の最大の関心事の1つである。たとえ、それがタブーであったとしても、人はその領域に足を踏み入れたくなるものだ。
嗜好品とは、味覚や嗅覚を楽しませるためのもので、快楽につながる導火線である。それを摂取することによって心身の高揚感など味わえるが、大抵のものは栄養があるわけでもなく、人体において有害、つまり毒となる傾向のものが多い。
だが、時として毒というのは薬になる。インフルエンザワクチンしかり、睡眠前の少々の寝酒しかり。酒や煙草などは人をリラックスさせ、人間関係において意思疎通を円滑にする。
毒的な要素、毒素というものは、人間の性格においても、社会全体においてもその割合が多ければ害悪かもしれないが、ある一定の範囲内であれば、それが魅力になり、社会の活性につながる場合もある。
グアテマラのラム酒は絶品だ
私にとって酒は嗜好品の代表である。幸いにして世界中の至るところで酒を楽しむ習慣があり、地域ごとの飲み方、楽しみ方を発見するのは、旅行の大きな楽しみの1つである。
例えば、メキシコ(筆者が作成した海外旅行情報サイトにリンクしてあります)はテキーラ。かの地に行けば、その種類の多さと多彩な味を楽しめる。しかし、利き酒でもしようと数種類のショットを飲めば、アルコール度数が強いのでたちまち意識は吹っ飛ぶ。
キューバなどサトウキビが取れる熱帯の地域ではラム酒が廉価で楽しむことができる。キューバのラムといえば「ハバナクラブ」だが、文豪ヘミングウェイは、彼の定宿であるホテル・アンボス近くのバー、「ボデギータ・デル・メディオ」に通いつめ、ハバナクラブベースのキューバの代表的カクテル、モヒートをこよなく愛した。今では、モヒートは若者が集うサルサ・テカでは欠かせない定番カクテルだ。