今年の新成人は過去最低の124万人。これは、団塊世代が成人を迎えた時代のピーク1970年の約半分の数である。
成人の日、日本の新聞が花を咲かせた若者叩き
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この少ない労働力をいかに有効に使うかが、日本の将来を、そしてあなた方の老後の生活を左右することに疑問の余地はないはずだ。
しかしながら、若者の生かし方についての議論があまりにも乏しいと感じているのは私だけだろうか。新卒至上主義の風潮は変わる気配を見せず、就職活動の早期化にも歯止めがかかる様子がない。
そんな中、成人の日の新聞の社説では、『内向きな若者叩き』が行われていた。日本の若者を「内向き」と決めつけて、現実から目を背けずに世界に目を向けろという点で多くの記事は共通していた。
しかし、私は問いたい。若者の「内向き」を言い訳にして自らの責務を「先送り」しようとしていないか?
若者の「内向き」よりも旧態依然とした「システム」に問題があることは明らかだろう。そして、その「システム」を変えることは年長者の責務ではないか。
「若者が内向き」は幻想にすぎない
「先送り」はあなた方の得意技であるだけに、私は少し心配だ。
そもそも、私たち若者が内向きだというのは確たる裏付けのない、幻想なのだ。
メディアをにぎわしている、若者の「内向き」の根拠には、よく留学者数の減少が挙げられる。
文部科学省のデータ(PDF)によれば、日本から海外への留学者数は6万6833人(2008年)で、ピーク時の8万2945人(2004年)の8割程度に落ち込んでいるという。