米アマゾン・ドット・コムがスマートフォンやタブレット端末向けのアプリを販売するオンラインストアを始めると発表した。まだ正確な開始時期は明らかにしていないが、既に開発者からアプリを募るためのウェブサイトを開設しており、登録を受け付けている。
このアマゾンのオンラインストアについては、昨年10月に米ウォールストリート・ジャーナルが独自取材をもとに報道しており、当時から話題になっていた。
米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」搭載端末向けのアプリを販売するというもので、アマゾンは、今後続々と登場する同OS端末の普及を見越しモバイル展開を強化する考えだ。
モバイルアプリのオンラインストアは、米グーグルの「アンドロイドマーケット」や米アップルの「アップストア」などがあり、この2つを合わせた登録アプリ数は40万本を超えている。アマゾンはこの市場に遅れて参入することになるが勝算はあるのだろうか?
「電子商取引の経験を生かす」
アマゾンは発表文で次のように述べている。
「今では多くのアプリが提供されるようになっているが、その中から高品質のものを探し出すのは難しい。同様にして開発者も自分のアプリを発見してもらえず苦労している」
そこで同社はネット通販で築いた技術やノウハウを使ってこの問題を解決するとしている。
具体的な内容については説明していないが、ウォールストリート・ジャーナルによると、電子商取引で導入している推奨機能の仕組みを用意するようだ。ユーザーの閲覧行動や購買履歴などをもとにアプリを提案して、新たな購買につなげる考えだ。
このほかグーグルとは異なるアプローチとしてアプリの審査を行うとしている。ユーザーのプライバシーを侵害するものや公序良俗に反するものを排除するのが目的だ。
アップルのサービスは厳しい審査があることで有名で、審査基準が不透明だと批判されているが、アマゾンはそうした不満についても考慮する。