中国・上海の新エネ車は「量から質」へと発展中 EVのデータセンターを設立

中国・上海で開催された工業博覧会の新エネルギー自動車の展示スペース(2016年11月1日撮影、資料写真)。(c)CNS/周東潮〔AFPBB News

 政府の様々な支援策を受け、今や中国は一般乗用車だけでなく電気自動車(EV)に代表される新エネルギー車市場においても世界一の市場となりました。

 直近の2017年1~8月の新エネルギー車販売台数は前年同期比30.2%増の32万台、8月単月では前年同月比76.3%増の5.6万台を記録し、高成長を堅持しています。

 こうした新エネルギー車の普及に伴い、そのコア部品である車載電池(中国語で「動力電池」)も重要性を増しています。その中で、世界の電池工場として日増しに存在感を高めているのが中国です。2016年の中国の出荷量は世界シェアで過半数を上回り、世界一となったと分析されています。

 今回は、中国の車載電池市場の現状と課題について紹介したいと思います。

リチウムイオン電池の種類と長所・短所

 本題へ入る前にまず、現在、車載電池に最も利用されている「リチウムイオン電池」の種類について簡単に説明しましょう。

 そもそもリチウムイオン電池とは、電池の正極材の原材料に「リチウム酸化物」を使用した再充電可能な2次電池のことを指しています。充電量が多く、長寿命で、かつ高出力であることから幅広く応用されており、車載電池においてもリチウムイオン電池を採用する動きが主流になっています。