全米レコード協会(RIAA)がこのほどまとめた、米国のレコード(録音)音楽販売統計(PDF書類)によると、今年上半期(2017年1~6月)における米国の音楽売上高は小売りベースで40億ドル(約4490億円)となった。
この金額は前年同期比で17%増。米国のレコード音楽市場は、最近、ストリーミングサービスの成長に支えられ、回復が見られている。しかし、かつて市場で最大のシェアを占めていたダウンロード音楽が、引き続き低迷。米音楽市場の規模は依然、ピークだった1990年代後半の水準から大きく下回っている。
ストリーミング、ついに6割に
今年上半期の売上高のうち、ストリーミングサービスは、前年比48%増の25億ドル(約2806億円)。昨年の統計では、ストリーミング売上高の米レコード音楽市場に占める比率は51%だったが、今回の統計で、この比率は62%に上昇した。
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RIAAは、ストリーミングサービスを次の3つの形態に分類しているが、これら3つのサービスは、いずれも売り上げが伸びている。
(1)定額課金制サービス(Spotify、Apple Music、TIDALなど)
(2)インターネットラジオ/衛星ラジオ(Pandora、SiriusXMなど)
(3)広告付きオンデマンドサービス(YouTube、VEVO、Spotifyの無料版など)
このうち最も売り上げが多く、最も成長が速いのは(1)の定額課金制。その今年上半期における売上高は、前年同期比61%増の17億ドル(約1908億円)。これだけで米レコード音楽市場全体の4割強を占めている。