中国、南シナ海の永興島に定期便を運航

中国が南シナ海の西沙諸島永興島に設立した三沙市(2012年7月27日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

 2017年7月23日、中国国営通信社、新華社は西沙諸島(パラセル諸島)の永興島(ウッディー島)に映画館を建設したと報じた。中国は近年、南シナ海に浮かぶ西沙・南沙諸島などの領土紛争地域への実効支配を強化中であり、2012年には(管轄地域内に定住住民が1443人しかいないにもかかわらず)海南省が直轄(地級市)する新たな行政区画「三沙市」を設置した。

 この三沙市は、南シナ海の紛争地域で最大の面積を持つ永興島に市の中心を置く。中国は近年、民間機も離発着する空港の開設、学校(全校生徒32人)の開校、テレビ局「三沙衛星テレビ」の開設など、ベトナムも領有権を主張するこの島を拠点として、かなり強引に三沙市の都市実態を作り上げる試みを進行中である。

 昨年12月には、海南島の海口から永興島に、海南航空のチャーター便が飛ぶようになり、将来的には定期便運行も計画されているという。海南島とはフェリーも運行中だ(海南島、西沙諸島の位置関係は下のGoogle mapを参照)。

 数カ月前、私はこれらの話を聞いて、普通に三沙市へ「旅行」に行けないかと考え、中国人の友人を通じて同市の関係者に問い合わせてもらったことがある。中国では政治的にそれなりに敏感な場所でも、旅行会社に個人ツアーをアレンジしてもらえば、監視員付きではあるものの大概の場所に行くことができる。だが、残念ながら友人の返事は以下のようなものだった。