「今年も良い年になりますように」
2017年の年が明け、初詣で今年1年の幸運を祈願された方もいらっしゃるだろう。御利益といった形で運に恵まれることは誰もが望むところである。
ところが世の中には、運が良さそうな人もいれば、運が悪そうな人もいる。あなたの身の回りにも、運が良さそうな人、運が悪そうな人として思い浮かぶ人はいらっしゃるだろう。
では、「運が良い人」と「運が悪い人」の差はどのようにして生まれるのだろうか。
人間万事塞翁が馬
中国の書物「淮南子(えなんじ)」に「人間万事塞翁が馬」という話がある。
中国の北の国境にある城塞の近くに占い上手な老人が住んでいた。ある時、その老人の馬が北の胡の国の方角に逃げて行った。近所の人々は気の毒がって老人をなぐさめたが、老人は残念がる様子もなく言った。
「このことが不幸であるとは限らない」
しばらく経ったある日、逃げ出した馬が胡の良馬をたくさん連れて帰ってきた。そこで近所の人たちがお祝いを言うと、老人は首を振って言った。
「このことが災いにならないとも限らない」
しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて足の骨を折ってしまった。近所の人たちがかわいそうに思ってなぐさめに行くと、老人は平然と言った。
「このことが不幸であるとは限らない」