英国の市場調査会社、カンター・ワールドパネルがまとめた、今年8~10月期のスマートフォン世界販売統計によると、アップルの「iPhone」は、ドイツと中国都市部を除く世界のほとんどの地域で販売台数が伸びたという。
アップルは、今回の調査対象期間のちょうど中間点に当たる9月16日に「iPhone 7」シリーズを発売したが、この製品を市場投入したことがiPhone全体の販売を押し上げたという。
OS(基本ソフト)別販売統計を見ると、アップルの「iOS」のシェアが最も高かったのは日本(51.7%)で、これに英国(44%)、米国(40.5%)が続いた。
iPhone、米国では2年ぶりの急成長
このうち米国市場におけるiOSのシェアは、1年前の33.5%から7ポイント上昇。この伸び幅は過去約2年間で最大。また今回の40.5%という米国におけるシェアは、同国で42.8%を記録した2014年11月~2015年1月以来の高い水準という。
今年8~10月の米国における機種別販売ランキングでは、4.7インチモデルの「iPhone 7」が10.6%のシェアでトップとなり、これに前モデルの「iPhone 6s」、韓国サムスン電子の「Galaxy S7」、5.5インチモデルの「iPhone 7 Plus」と続いた。
一方で米国では8~10月に米グーグルがメーカー別販売ランキングで0.5%のシェアを獲得した。これは一見小さなシェアに思えるが、中国ファーウェイ(華為技術)や米マイクロソフトのシェアと同水準という。
グーグルが10月初旬に発表した新型Androidスマートフォン「Pixel」が広く入手可能になったのは10月20日以降だった。今回の調査対象期間が終わるわずか10日ほどの間で、こうした躍進は目覚ましいとカンター・ワールドパネルは指摘している。
iPhone 7、中国で健闘
グーグルの好調さが物語るように、世界では多くの国で同社が開発、無償提供するAndroidが75%以上のシェアを占めており、同OSは依然スマートフォンOS市場を支配している。
例えば中国(都市部)の8~10月におけるAndroidのシェアは1年前から7.9ポイント拡大し、82.6%となった。これに対しアップルのiOSは5.4ポイント縮小して17.1%。