アジアで目にするのは、今や韓国ドラマばかりである。台北でテレビを見ていたら、韓国の男性アイドルがバラエティー番組で、中国語を普通に話していた。

日本よりケタ違いに多い韓国のテレビコンテンツ輸出

 韓国KOCCA(Korea Criative Contents Agency)によれば、2008年度の韓国放送番組の輸出額は1億7100万ドル(1ドル=80円として、864億円)である。

 コレに対し、日本の地上波キー局の海外番組販売収入は、TBSが2009年度3月期で11億7000万円、日本テレビは6億7000万円だ。

 韓国コンテンツは、なぜ海外で受け入れられたのか?

 韓国ドラマは1シリーズで30話から50話制作されるので、1シリーズ10本程度の日本のドラマと比べ、1回当たりの単価が安くなる。さらに、ドラマの主演俳優などが気軽に現地にプロモーションに来てくれる。

 日本の俳優が番組を買ってくれたアジアの放送局にプロモーションに行くことなどあり得ないだろう。

中近東やトルコにも人気の韓国コンテンツ

 番組バイヤーにとって、韓国コンテンツは、日本コンテンツよりも買った後のアフターフォローが良く、使いやすいのである。ドラマのクオリティーも、日本製と遜色ない。

 だから、海外の放送局が、アジア枠の予算の中で番組を買う場合、買い手は韓国製を選んでしまう。

 韓国コンテンツは、トルコや中東でも人気が出て、アジア圏の外にも輸出されている。現地のテレビ局が韓国コンテンツを放送する時には、サムソン電子やLG電子などの韓国メーカーが広告枠を買ってサポートするという。

 日本企業も、例えば住友商事がシンガポールで毎週土曜「ジャパン・アワー」という番組を放送している。