新潟知事選挙では柏崎刈羽原発の再稼働が争点となっていた(資料写真、出所:Wikipedia)

与野党対決の構図に入れなかった民進党

 新潟知事選挙では、事前の「接戦」という予想に反して、無所属新人の米山隆一氏が自民、公明推薦候補に6万票以上の差をつけて勝利した。

 この選挙は、東電柏崎刈羽原発の再稼働が争点となっていた。米山氏は、泉田前知事の姿勢を継承するとして、再稼働に慎重な態度を表明していた。これが県民多数に受け入れられたということだ。

 米山氏を推薦していたのは、共産、自由、社民の3野党である。原発容認の電力総連、連合の顔色を窺う民進党は、推薦できず“自主投票”という中途半端な対応をとらざるを得なかった。選挙終盤になって米山氏が勝ちそうな戦況になって、あわてて蓮舫代表が駆け付け応援演説を行ったが、これでは勝ち馬に乗っただけである。

 米山氏の当選を報じるテレビや新聞は、米山氏に「共産、自由、社民推薦」という説明を必ず付けていたが、野党第一党の民進党の名はなかった。情けない話ではないか。

 自由党の小沢一郎代表が「勝ちそうになったから応援に行くのは、野党第一党(の党首)として主体性がなさすぎる」「最大野党の民進党は何のために政党を構成しているのか。政権を取る気がないなら、それは国民への背信行為、民主主義を否定する行為だ。そんなのは解散したほうがいい」(10月18日記者会見)と厳しく批判したのも当然であろう。