マット安川 今回のゲストは、住宅ローンの最大手・SBIモーゲージの円山法昭社長。いつもは番組中盤で、ご好評いただいている経済分析コーナー「週間まるやまEYES」の案内役をご担当いただいています。
今回の後半戦では、「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」小野由美子編集長と、株・投信情報でおなじみの「モーニングスター」赤間憲明論説委員にもご登場いただいています。
現場で自ら舵取りをしている経営者と、経済界屈指の論客2人による、祖国日本の最新分析。どうぞお楽しみください。
為替介入スタンスに見る日韓政府の経済センス
SBIモーゲージ株式会社 代表取締役 執行役員COO。大学卒業後、東海銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社、2000年にソフトバンク・グループに転職。「ずばり勝負」では定期コーナー「週刊まるやまEYES」を担当。
(撮影・前田せいめい)
円山 現在、日本経済の最たる足かせは円高です。政府・日銀の介入で一時的に円安に向かいましたが、見る間に円高に逆戻り。私は諸外国との政策協調のない為替介入には効果がないと言い続けてきましたが、その通りの結果になりました。
為替介入の成否を左右するファクターとして重要なのはタイミングです。その点、韓国はうまくやりました。
リーマン・ショックを受けていち早く動いた結果、2年たった今、ウォンは円に対して半分ほども安くなっています。韓国経済が年5%近い成長を続けているのは、そのウォン安をテコにしてのことです。
タイミングよく思い切った介入を行ってウォン安に誘導し、その後も断続的な介入で相場を維持している韓国。それに引き換え日本は、後手に回っていると言わざるを得ません。ここまで円高になってから戻すのは大変ですよ。
私は政府の経済センスの差が出たと思っています。韓国の李明博大統領は、財閥系企業のトップだった“CEO大統領”とも言われる人物です。
一方の民主党政権は経済が分からないのに、政治主導のパフォーマンスもあってか官僚の助けを借りない。こういう問題はある程度、官僚に任せた方がうまくいくと思うのですが・・・。