中国、対欧州の新たな輸出ネットワークを強化へ

中国の李克強首相は中国経済はこのまま穏やかな成長が続くと主張しているが・・・(2014年12月16日撮影)。(c)AFP/ALEXA STANKOVIC〔AFPBB News

 中国の李克強首相は、中国経済は穏やかな成長が続いていると繰り返す。

 日本の安倍総理は、企業業績が改善され、賃金も上昇しており、日本経済はもはやデフレを脱却したと国会で豪語する。

 アメリカのオバマ大統領は経済についてほとんど言及しないが、FRBのイエレン議長が2015年暮れに利上げを実施し、金融緩和から引締めへの出口政策が取られた。

 こうしてみると、世界主要国の指導者および政策担当者のほとんどは、景気動向、経済の先行きについてポジティブに判断しているようだ。

 しかし、世界経済は本当に良い方向へ進んでいるのだろうか。新年早々、上海の株価は大暴落した。それは単なる投機筋の空売りによるものではない。その前に発表された2015年12月のPMI(購買担当者指数)は予想よりはるかに悪い値だった。中国経済は一段の減速が避けられないとの見方は、もはや世界金融市場でコンセンサスになっている。中国の需要低迷を受けて、原油価格は1バレル=30ドルを下回り、26ドルを記録した場面もあった。原油価格の急落は金融市場を直撃し、世界の景気に悪影響をもたらす。