インド最大の電子商取引企業、フリップカート・インターネット(Flipkart Internet)が米グーグルの手を借りて、モバイル用のウェブサイトを構築したというニュースが話題になっている。
アプリvsウェブ
これに先立つ今年4月、フリップカートはスマートフォンなどモバイル端末経由で同社サービスを利用しているユーザーに対し、今後は特定の商品をモバイル用ウェブサイトではなく、同社のモバイルアプリを通じてのみ販売すると告知した。
同社の計画は、やがてモバイルサイトによるサービスを中止し、すべてのサービスをモバイルアプリに切り替えるというものだったが、その後ユーザーから不満の声が広がったため、新たなモバイルサイトをつくることにしたのだという。
米ウォール・ストリート・ジャーナルや、米ニューヨーク・タイムズ、米Re/codeなどの報道によると、フリップカートは当初、モバイルアプリの方がモバイルサイトよりも顧客満足度が高まると考えていた。
「インドなどモバイル通信の電波が不安定になる国で商品情報などを安定して表示するには、ウェブよりもアプリの方が向いている。アプリであれば、オフライン操作も可能になり、ユーザーは操作を中断されることなく買い物を続けられる」――。フリップカートはそう考えていたという。
アプリを最新に保つのは困難
ところが、アプリで最新情報を提供し続けるためには、常に最新版のアプリを開発し、それらを頻繁にユーザーにダウンロードしてもらわなければならない。ここで、前述同様の通信環境の問題などが立ちはだかる。
インドでは、多くのユーザーが頻繁にアップデートされない低価格のAndroidスマートフォンを所有しており、アプリを迅速に更新してもらうことは困難。