米グーグルの自律走行車、カリフォルニアでも公道走行が可能に

米グーグル(Google)がマウンテンビュー(Mountain View)の本社で公開した自律走行車(2012年9月25日撮影)〔AFPBB News

 米グーグルがこのほど公表した自動運転車開発プロジェクトに関する進捗状況によると、同社はまもなくテキサス州オースチンで自社開発試作車の公道走行試験を行うようだ。

 同社は8月29日に、試作車をオースチンの子ども向け科学博物館で披露し、今後数週間以内にオースチン中心部の北・北東地区の公道で走行試験を行うと発表した。

カリフォルニア以外で初の公道試験

 同社はこれまでトヨタ自動車の「レクサス」を改造した試験車や、自社開発試作車などを使い、同社の本社がある米カリフォルニア州マウンテンビューでテスト走行を行っていた。

 今年7月にはクロスオーバーSUVの「レクサスRX450h」に専用ソフトウエアやセンサーを搭載した車を使い、オースチンで公道テストを開始したが、自社開発の試作車を使った公道テストをカリフォルニア以外で行うのはこれが初めてとなる。

 グーグルによると、オースチンはマウンテンビューとは環境が異なる。オースチンにおける試験は、様々な道路状況、交通パターン、運転環境の情報と、異なる地域住民の自動運転車に対する反応について情報を集めることが目的という。

 オースチンでは今後数台の試作車が市街を走るが、いずれもこれまで同様にテストドライバーが乗車し、必要なときに運転操作を行うと同社は説明している。

目指すのは近隣移動用の完全自動運転車

 グーグルは昨年5月、この試作車の元となる初期モデルを作った。これは屋根の上にセンサーを装備しており、周囲360度の物体を検知しながら自律走行する。ただしこの初期モデルにはスタートボタン、ストップボタンなどがあるのみで、ハンドルなどの制御装置がなかった。

 ところが昨年9月にカリフォルニア州で施行された自律走行車の公道走行試験に関する法律では、訓練を受け、資格を得たテストドライバーが常に運転席に座り、即座に車両を制御できる状態で走行することを義務づけている。