前回のコラム(2010年8月6日「俺たちの年金に明日はない!」)では、積立金残高の運用益がわれわれの年金にとっていかに重要なのかを解説した。今回は、毎月徴収されている年金保険料が将来の給付に向けて適切に運営されているかどうかを点検する。

 小泉政権下の「平成16年の年金改正」により、政府は(1)保険料水準への固定方式導入(2)給付水準へのマクロスライド導入(3)基礎年金の国庫負担割合引き上げ(4)積立金活用を柱に据えて年金財政の均衡化――を図ることとした。その際、厚生労働省が策定した厚生年金の財政見通しは下表の通りだ。(厚生労働省年金局「年金財政ホームページ」に基づき筆者作成)

 そして、次の表が国民年金の財政見通しだ。

 両者を見比べて、厚生年金には支出合計の内訳に「基礎年金拠出金」が存在することをよく覚えておいていただきたい。