旅の世界でも、ソーシャル、デジタルシフトが加速している。その実態を探るべく、世界最大のオンライン総合旅行会社「エクスペディア」を手掛けるエアアジア・エクスペディアジャパン(AAE Japan)のマーケティングディレクター木村奈津子氏にお話を伺った。
日本のインバウンド施策の弱点
小川:エクスペディアは、世界各地に拠点を持つグローバルな旅行サービス(ホテルや航空券のオンライン予約等)企業ですから、日本におけるインバウンド(訪日外国人)の活況ぶりも目の当たりにされているのでしょうね。
木村:そうですね。円安もあり、訪日外国人の方は増加を続けています。その中で、われわれが旅の窓口としていかにお役に立てるかを日々考え、取り組んでいます。エクスペディアは、アジアとラテンアメリカを今後飛躍的な成長が見込める重要地域としていますが、アジアの中でも日本は最重要エリアです。
小川:やはり、注力どころはオンラインの施策ですか?
木村:旅行業界におけるインバウンド施策の多くは、依然としてガイドブックなどのオフラインが中心で、オンラインが遅れているのが実態です。一方、韓国、香港あたりではガイドブック(オフライン)はもう買わない人が多いんです。
一方的なガイドブック(オフライン)の情報を当てにせず、信頼できるブロガーなどの情報を頼りにするようになっています。だからこそ、ウェブ上のコンテンツ(オンライン)が重要だと捉えています。