阪神・淡路大震災から20年

〔阪神・淡路大震災で被災した神戸市。瓦が飛びブルーシートで屋根を覆う家が数多く見られるAFPBB News

 新年度となり、新入学あるいは新入社などフレッシュマンが新たな気持ちで新しい環境に進んでおられることと思います。

 そこで今回は連載の流れと少し外れますが、新人の皆さんへのエールとしての意味を含め、私から新たに大学に入ってきた学生諸君へのメッセージに模して、お話してみたいと思います。

 2015年に大学に入ってくる学生諸君は、現役であれば19歳つまり1996年生まれ、一浪なら95年4月1日以降の生まれということになると思います。そこで、皆さんが生まれる前に起きた出来事について、少しお話してみましょう。

 1995年の年明けは、それはそれは大変なことが続きました。

大震災で幕を開けた1995年

 まず1月17日、阪神淡路の大震災が発生しました。地震そのものについてはネットにも様々な情報が出ていますので、参考にしてみてください。

 私は当時29歳で東京暮らしでしたが、亡くなった母の郷里が神戸の魚崎という場所でしたので、よく耳にする地域を直撃した震災、母も大いに心を痛めていました。

 それから2か月ほどした3月20日、都内で発生したのが「地下鉄サリン事件」でした。これについてもネットに様々な情報が出ていると思いますので、事件のあらましについてはそうした公開情報を参考にしてみてください。

 私がいま諸君にお伝えしたいのは、現在20歳前のみんなが生まれる前に起きたこの事件の教訓が、ほとんど生かされず、同じ過ちを何度でも繰り返す危険性がある日本の現状について、意識を持ってほしいという一点に尽きます。