「現地の人々に独り立ちしてもらい、自分たちだけで仕組みを回して行ってもらうのが私たちの願いです」
第2次世界大戦の終結から70年が経ち、大国間の戦争は事実上なくなり、世界は平和へ向けて大きく前進しました。しかしながら、アフリカや中東を始めとして世界にはまだまだ武力紛争に苦しむ国や地域が数多く存在しています。
遠く離れた国だからとって、私たちは無関心を装い続けて良いのでしょうか? 決してそんなことはありません。グローバル化の時代、遠くの国の苦しみは、結果的に豊かな先進国にも襲ってきます。紛争が長引き、警察や公共サービスが機能しない無政府状態となった国は、国際テロリストにとってもうってつけの隠れ蓑になります。テロ活動を行っても逮捕されることがないからです。例えばアルカイダは、ソマリアやアフガニスタンなど長年の戦争・紛争によって疲弊した国々に潜伏し、その力を蓄えて9.11のアメリカ攻撃を実行ました。2015年現在世界にとって脅威となっているISISも、イラクとシリアの政権の支配が及ばない地域で台頭しています。遠くの国の出来事であっても決して他人事にはなり得ないのが今の世界なのです。もちろんテロと直接の関係がなくとも、紛争で疲弊した地域を放っておくことはできません。
では私たち日本人に何かできることはあるのでしょうか? 実は長年の間そのような平和構築活動に従事し、着実に結果を出し続けている日本の組織があります。日本紛争予防センター。ここでは、ソマリア、ケニア、南スーダンなど地域紛争下にあった国々で、現地人材の育成やコミュニティの構築、紛争を再発させない仕組みづくりを行うプロフェッショナルが集まっています。JCCPは、起きてしまった紛争からの回復だけではなく、これから起こりうる紛争の未然予防にも取り組んでいます。
日本は終戦から70年の間、どの戦争にも加担せず、平和な国づくりを成功させた実績を持っています。JCCPの取り組みは、日本人だからこそ可能な支援の形があるということに気づかせてくれるでしょう。皆さんがこれから目撃するのは、そんな日本人たちによる平和構築の物語です。