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グローバルリゼーション、国際企業買収、LCCの台頭による海外旅行の価格破壊、訪日観光客の大幅な増加、小学生からの英語教育、英語公用語化を推進する日本企業。国を超えての人や物の移動がかつてないほど活発になった現在、言葉の壁に突き当たり、それを乗り越えなければならない場面も私たちにとって増えています。

旅行で訪れた先で外国語で道を聞いたり、あるいは日本を訪れている旅行客から道を聞かれたりした経験があるという人は少なくないと思います。最近だと仕事で英語が必要になって勉強に励んだりという方も徐々に増えて来ているでしょう。しかしながら、海外旅行先で病気になり医者にかかったときに、自分の症状を正しく伝えたり、あるいは医者の診断や薬の飲み方を正しく理解するとなると、ハードルは一気に高まります。差し出された薬は保険が適用されるのかどうかなど、不安要素は尽きません。

日本を訪れる外国人にとっても不安は同じです。受け入れる側の病院やクリニックでも、英語で満足に診断、処方をできる人材は限られています。医療分野における人材不足が問題となっている日本で、激務をこなしている多くの医療従事者にとって、まだまだ数の多くない外国人受け入れのために英語に勉強時間を割くことも難しいのが事実です。

そのような状況に対し、どんな場所で、誰であっても、医療を受けるときに言語の壁を乗り越えるための手段を与えるための取り組みを行っている人たちがいます。スマートフォン一つで、様々な言語で医療通訳にアクセスでき、診察を受けている間にも、病気や症状、薬、保険などの専門用語でも母国語に通訳してくれるサービス。

より多くの旅行者が病気の心配をせずに安心して日本を訪れることができ、そしてより多くの日本人が同じように安心して海外旅行ができる、そんな世界がもうすぐそこまで訪れています。もちろん、そこにはまだまだ多くの障壁があるのも事実です。

皆さんがこれから目撃するのは、そんな多様な医療が実現する世界です。

「どの国にいてもどんな人であっても、障壁を乗り越え、自分の意思で、納得した人生をおくれるようにしたい」(澤田真弓・一般社団法人ジェイ・アイ・ジー・エイチ理事)